坂手洋二さん作演出作品
- 『上演されなかった「三人姉妹」』 2002年チェチェン武装勢力が、モスクワの劇場を占拠した事件を連想させる。舞台では、三人姉妹@チェホフが演じられている。事件の犠牲者が、事件を回想して語る、劇場内のことが再現されるー芝居の進行、武装勢力と、観客、俳優の関係、人質のこと、、、、これが、並行して演じられる。観客、劇場関係の人質は、三人姉妹の俳優であったりするし、舞台俳優は、自分にもどったりする。
この状況下での、三人姉妹の台詞@チェホフの台詞が、笑らえました。
クルイギン「僕は、満足だ、満足だ(あれ、愛してるだったかな?)」
マーシャ「うんざり、うんざり、うんざりだ」とか。
マーシャが、「マーシャ」は固有名詞ではない、私は、女性としてのマーシャを引き受けてきると述べるときの潔さには感動しました。
ナスターシャが、80歳の老召使を追い出そうとする、人物である一方、武装勢力に同情し、世間に平和を訴えたりする人格の二重性。そういえば、原作でも、そういう風にかかれてるな(^^ゞ
武装勢力は、自分の国へ進出した軍隊の撤退を、政府に約束させ、人質である観客を解放しいようとするが、じつは、政府は、約束を履行する意思なく、武装勢力を、攻撃する。この政府の攻撃により、観客の大半の命が奪われる。しかし、大半の命が奪われたのは、武装勢力のせいであると、政府は宣伝する。
私たちは、政府が、国民が、一筋縄でいかないことを経験している。善人が悪人だったり、支持していた政府が、じつは、他国民を抑圧していたりとか。私たちは何を信じたらいいのか、というより、信じていいのか。
三人姉妹の最後の台詞「私たちにもわかる気がする、なぜ、生きているか、なんのために苦しむのか、それがわかったら、、、、」という台詞にはぞくっときました。
って、まじめなお芝居のようですが、さっき、書いたように笑えたし、配役の役名には、「トム」ってなのがあり、「宇宙の戦争、、、」ってな台詞がでると、笑ったりしてました、ヴェルシーニンがマーシャに最後の挨拶をし、抱き合う、と思いきや、マーシャはヴェルシーニンとではなく、武装戦士と抱き合うとか笑いところはあり、三人姉妹って笑える劇なの?ってな感じでもありました(^^ゞ(不謹慎な客だったかな)
「明暗」にも出てられた鴨川さん、下総さん、三人姉妹と男兄弟の妻を演じられた中山マリさん、神野三鈴さん、立石涼子さん、江口敦子さん、、、、等、演出助手を演じられた俳優さんなど、みんさん、うまいな(^^ゞ。
ジャパニースの私には、リアルなのは、自国の自衛隊や、警官に、劇場を占拠されることなんですけど、「半島を出よ」@村上龍に比べると、想像力貧困です(--;)
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コメント
TBありがとうございます。
そうそう、マーシャの「女性としてのマーシャを引き受ける」っていうところ、良かったですよね~。
投稿: しのぶ | 2005.07.15 00:56
コメントありがとうございます。
眠ってる人をみかけましたし、おいらも、すこし、眠たくなる場面がありましたが、三人姉妹って笑えるんだってのが発見でした。神野三鈴さんと、ドクターの絡みも笑えましたし(^^ゞ
投稿: 悠 | 2005.07.15 13:58