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2005.09.10

メゾン・ド・ヒミコ

なんていうのでしょう。後にひく映画でした。
ゲイのみにくさも、ゲイに対する偏見も描かれてる。老後を寄り添って幸せに生きようとする人々。

ゲイの男の老人が、いちど、女装して街へでかけたい、っていうので、他の人々が、男装して、エスコートする、踊り場で、このゲイをからかう、昔の部下。ゲイの父、ヒミコをきらっている娘サオリが、「あんた、あやまんなさいよ!」と、昔の部下にくってかかる。ヒミコの愛人ハルヒコが、サオリを、引き離し、踊り場につれていっておどる。みんなで、部下をやっつけるカタルシスはないが、こういうやっつけるカタルシスが現実に起こるわけではない、との監督の醒めた目がかんじられた。

このダンスホールでの、踊りが、よかった、すごい踊りだった。(エンドロールで、振り付け香瑠鼓ってあった。)

脳出血をおこした老人ルビーを家族に引き取らせる、老人ホームの人々にサオリが「あんたたち、家族をすててんのに、元にもどすってのは、どういうことなんだ!」って詰問する。しかし、家族から離れざるをえない、脳にくわえられた社会の圧力を、考えると、個人の責任の範囲をこえてるんじゃないか、と思う。家族に対する愛情を断ち切らなければ、ならない、社会の圧力があるとおもう。

たんたんと、マイノリティの、生を普通の人生として描いている映画だった。

柴崎コウが、風俗で働くことも考える、借金をかかえた小さい職場の事務員として、美しさを隠して演じてるのもよかった。決して、特別な人の物語じゃないんだって感じられる。

サオリが、母が、父にあっており、最後まで、父を愛していたと気づく、母の人生のとらえなおしが、おいらのツボでした。過去って、読み直しが可能だって気がする。過去をひきづって、過去のせいでこうなったって考えてる、あなた、とくにおいら、物語は再生可能だよ(^^ゞ

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コメント

こんばんは。TBとコメントをありがとうございます。
不思議な映画だったと思うんですけど?
自分は、ゲイとか、すんなり認めちゃう方なんです。特に変だとか、気持ち悪いとか思わない。普通にあり得ると思っています。特別視する側には、なれないので、おじいちゃんになった彼らが、妙ちくりんなファッションしていても違和感ないです。むしろ、好感。非男性だからかもしれませんが、もし自分の家族がそうであったとしても、(だからといって、家族を捨てて良いことにはなりませんが)理解したい、と思うでしょう。

心根のやさしい人たちばかりだったような気もします。演出なのかな。大島弓子の世界がベース。わかるな、なんとなくだけど。

投稿: あかん隊 | 2005.09.10 23:57

あかん隊さん、こんばんは。
そうですね、ゲイの老人ホームが、ありえるものとして描かれてますよね。偏見もつ人も、ホームに集う人も、そうだよねって感じでたんたんと描かれてるってのが感想です。

おいらはねぇ、昔、都会にいたころ、飲みに通ってた「スナック」のマスターと従業員がゲイで、ある日、友達と、夜の12時に待ち合わせて、おいら、先についたんですわ。1時前になっても、友がこない、マスターが、「もう閉める」ってんで、1時までまってっていったら、「いいけど、こなかったら付き合ってくれる」ってんで、「いいよ」って安請け合いしてから、ふと、意味を深読みして、酔いがすーっと醒め、えぇぇぇぇぇぇって経験ありなんです^_^;。友達、1時前にきてくれましたけど(-_-;)。

投稿: 悠 | 2005.09.11 00:22

うーん。難しいところです。男性だと、ターゲットになる可能性があるから、「そうじゃない」といっても通用しない場合もあるかもしれませんものね。どうなんだろうなぁ。
こんなことなら、六本木のプチシャトーにいたという「マリ」ちゃんとコンタクトとり続けていればよかったかなぁ。
某大学の学園祭で、ショーを見せてくれて、お話して、名刺までもらったのに…。きれいな人だったし。どうしてるかなー。

投稿: あかん隊 | 2005.09.11 02:10

あかん隊さん、おはようさんです。
よいお知り合いがいらしたんですね。おいらも、マスターにいろいろ話聞かせてもらってました(^^ゞ。不思議な感じはねぇ、どこか、周りにいても、おかしくないよねぇ、って感じで撮れてた視線のせいかな~などなど。
あ、映画で気がついたんですけど、普通の日常のしゃべってる感じってタレントの声TVなんかでおおいんだけど、泯さん、ゲイさん@演じてる人の声がちゃんとしてたな~と。ダンスホールのサオリとハルヒコもよかったし、サオリと、山崎元支店長の、コスプレプレイもよかったし^^ゞ
香瑠鼓(かおるこ)さん、「東京キッドブラザーズ」におられた方でした。

投稿: 悠 | 2005.09.11 08:34

姐御の出てたP劇場の向かいでやってたんだよね~この映画。映画の日にはむちゃんこカップルが並んでて、ちょっとムカつきましたが(^^;
「人生、読み直し。。」っていうのにツボって出てきました。このところいろいろあってねェ、しみじみ、「女王。。」じゃないけど「その人生、自分だけのもんだから!」って思って、前に進むことを考えるこの頃なんっすよね~

投稿: p姐 | 2005.09.12 00:48

p姐さん、おはようさんです。
うちの姐御、お元気で、舞台監督勤めてられるってんでこちらにこられるの楽しみにしてます(^^ゞ。
「女王の教室」と姐御と、ついつい、くらべつつ(他意はないんですよ^_^;)。
そうか、カップルおおかったですか。映画館は、結構はいってたんで、気がつかなかった^_^;

投稿: 悠 | 2005.09.12 08:01

♪乱・入・です!

「つるばらつるばら」が原作なのでしょうか?
モチーフを使ってるという感じ?

投稿: そよ | 2005.09.12 23:35

そよさん、おはようさんです。
お、大島弓子「つるばらつるばら」に反応されましたな(^^ゞ。でも、おいら、この漫画よんでないんですよ。でも、監督さんの脚本のはじめは、この漫画みたい、で、それに、父を看病する女の人、ゲイの老人ホームの話が加わったみたいってことでした。

投稿: 悠 | 2005.09.13 05:53

悠さんから、コメントいただきました。ありがとうございます。
んで、「つるつるばらばら」読みましたんで。(笑)
はい。しっかりベースになっている感じですね。モチーフ…かな? 短編ですけど>マンガ
映画のパンフには、最初、このマンガを映画にしようかと思ったけど、未来のこともでてくるので、お金がかかりすぎる…ということで、いろいろ脚色したようです。
ちなみに「つるつるばらばら」って「つるかめつるかめ」と「くわばらくわばら」を混ぜた造語なんですね、ほぼ予想通りだったので、また笑えた。

投稿: あかん隊 | 2005.09.13 10:57

あかん隊さん、さっそくに、コメントありがとうございます。
もつべきは友ですね((^^)ごめんなさい、勝手に)

投稿: 悠 | 2005.09.13 16:10

どっひゃー!っと、間違っておりました。>とんでもな「友人(?)」で、よろしいのでしょうか?
ご勘弁!
「つるばらつるばら」が、○。
「つるつるばらばら」は、×。(不甲斐ない自分に、消え入りそう…)すまんこってす。

投稿: あかん隊 | 2005.09.13 17:08

なあに、おいらも、オン書きで、一度書いたら読み直すのがいやってな性格で、こころそそかっしってなブログ名にしたいくらいなもんで(^^)
気にせず、書き込み下さいませm(_ _)m。

投稿: 悠 | 2005.09.14 11:58

コメント、どうもありがとうございました♪
私も、あかん隊さまと同じで、ゲイに対する偏見ないんですよね。
なので、サオリの嫌悪感丸出しなのに、まず違和感感じたのかなあ?
サオリのお母さんが会い続けてて、愛し続けてたってのは、
じーんときますよね。
でも、それだけに、自分だけ蚊帳の外だったサオリがちょっと気の毒ですよねえ。
父親に対する露骨な嫌悪感から、お母さん、言い出せなかったのかなあ?
とか、あれこれ映画館出てから考えてしまいました。

投稿: RIN | 2005.09.15 00:51

RINさん、こんにちは。
「コレはなに?」って帽子被ったきれいな女性の写真の謎がとけてゆくのよかったです。
お母さんはきれいに装ってるし、父は勝手に生きてるし、サオリは、お母さんの病気の看病したり、父のホームの手伝いしたりと、大変ですよね。ほんと、ぶーたれますよね(笑)。あ、この映画のキーワード、母かな。だって、ホームでみんなが合唱する歌、せつなかったし^_^;

投稿: 悠 | 2005.09.15 17:41

悠さん、こんばんは。
コメントありがとうございました。
犬童監督の醒めた視点による、安易な表現が一つとしてない作品でしたね。
観終わってから、色々と考えさせられる作品でした。
>過去って、読み直しが可能だって気がする
本当にそうですね。
色んなことがあっても、前を向いていきたいですね。

投稿: any | 2005.09.19 02:23

よーやく観てきました♪
あとから、色々じんわりと効いてくる作品ですね~。人って良いですよね。

投稿: maki | 2005.10.17 22:08

■makiさん、こんばんは。
ダンスシーン、差別する側と喧嘩するより、自分の楽しいことをするってことの方がいんだよってなメッセージみたいに受け取れました(^^ゞ

投稿: 悠 | 2005.10.17 22:25

悠さん

TB&コメントありがとうございました。
悠さんの記事はもちろん、他の方々のコメントまでじっくり読み入っちゃいました(笑)。

キーワードは「母」って、あ、そうかも!
そして、「過去って、読み直しが可能だって」いい言葉だなぁ。
ダンスホールのシーンは大好きなんですよ!
あそこだけ「浮いてる」とか「不要」という意見が多いですけど、
私は絶対にアレがあったから救われた気持ちになりましたもん。
あのレトロな音楽もヨカッタなぁ。

投稿: snowflower_001 | 2005.10.21 01:57

■snowflower_001さん、おはようさん。
ダンスシーンよかったっていってもらってうれしいです。それと、あのドボルザークの歌もね(^^ゞ

投稿: 悠 | 2005.10.21 08:07

こんにちは♪
やっと京都で見ることができました。
オダジョーファンとしてはもちろん、映画ファンとしてもステキな作品だと思います。
沙織の母と卑弥呼が晩年交流があったこと、「母の人生のとらえ直し」は私も好きな部分です。
過去って読み直しが出来るんですね。
沙織の心情の揺れがすごくて、その揺れ幅が人間くさくてイイなぁと思いました。

投稿: ミチ | 2005.10.21 08:32

■ミチさん、こんばんは。
ゲイ本人は、選んだ人生だからいいけど、身内はつらいやねぇ〜ってのから、沙織がかわってゆくさまもよかったですね(^^)。
「さわるとこないんでしょ」なんて、台詞で、関係が終わらないってのもよかったですが(^^)

投稿: 悠 | 2005.10.21 18:47

親子の人生って別物なんだけど、気持ちは完全に断ち切れないからツライところがありますねぇ。
私は、サオリ本人の娘の気持ちとしては結局最後まで許せなかったんじゃないかと思ったのだけど、悠さんのおっしゃるとおり母親の人生を読み直して現実を受け入れただけでも金星かなって(笑)
ダンスシーンは仲間に入りたかったです♪

投稿: みほ | 2005.11.04 10:43

■みほさん、こんばんは。
あの踊りなら、なんとか、マスターできそうですねってむつかしいか。小倉千加子の著書で、評伝かくための取材では、父の思い出を語ってくれるのは、息子ではなく、娘らしいです。娘がなくなると、父の思い出もきえる。。。。。。らしいです。
あ、女性の老後、駒尺喜美さんが、女性だけで、すむ家をつくれれてます。でも、若い世話してくる子がないと、なりたちませんわね。男は、こういうこと考えてる人ないですね(T_T)。

投稿: 悠 | 2005.11.04 19:21

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