少年の「ヰタ・セクスアリス」??
とも読めないこともない、映画、ドア・イン・ザ・フロア、ようわかりませんでした。ただ、夫が語る惨劇のすごさ、こんなのに耐えられるだろうか、って思う。「欲望という名の電車」で、ブランチがかたる婚約者の自殺の話に匹敵するかな。
この惨劇をかかえ、夫は、浮気をくりかえし、女に殺されかかったり、女にもててたりする、ガウン姿で酒を飲んでいる、ただの飲んだくれにみえる(が、実は、有名な児童文学者)。
妻は、夫がアルバイトに雇った少年とセックスし、しだいにあかるさをとりもどしてゆく。
夫は、少年と妻のことを知り、競技で、勝ち負けをきそったりする。
どこにも、感動はありませんが、官能はちょっぴりあります、笑いの場面はありますが、泣かせる場面はきっとすくない。
「板の下は地獄」っていうより、「ドア・イン・ザ・フロア」って方がおしゃれですが、ドアのうちもそとも、惨劇は、床の上でも、床の下でもおこってるよ、って、内心の目でながめれば、ドアの内外はかわんないよ、って言ってる気がするって、神は細部に宿る、その細部の方が重要です、そのときどきの行動を選んだり、行動がつぎの行為を引き起こしてゆく、その連鎖。
その後の登場人物が気になりますねってんで、パンフ買ってみましたが、さらに、??の部分があるので、小説(下)を買って確かめました(10分でわかる物語(^^ゞ)。
小説の最後は、「ただのエディとママじゃない」。
海辺の別荘ってな舞台じゃなきゃ、ちょっと、成り立ち得ない物語なんで、日本に置き換えると、ちょっと想像できない(笑)。
と、書いて、やっぱり、よくわからない映画でした。
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コメント
そうなんですよね。日本人には、かなり難解。
セクシュアルなことが、重要視される欧米の価値観には、ちょっとついて行けないなぁ…と思いつつ、パンフも文庫も購入してきました。
ディテールにこだわった文章、複雑な深層心理にまで言及するような表現が売り物なのかな、と思います。パンフに記載がありましたけど、著者自身も母子家庭で、父親のことを知らない幼年期を送ってきているようですね。
だからかな、父親のイメージも、母親のイメージもなぜか、あまり現実味がない。心理としては理解できるけれど、まぼろしみたい。
おそらく、通常では経験することのないような惨劇を設定しておかないと、語れない内容になってますね。
こうした原作を、実に巧みに映画化している…からこそ、余計に難解。難解なのをおもしろがれたら、それでいいのかも。でも、わっかんねー、というのが正直なところ。
投稿: あかん隊 | 2005.11.30 23:59
こんにちは。
>小説(下)を買って確かめました
ええっ!マジですかっ
コレはストーリー展開ではなく、「人生の重み」とか「怖さ」みたいなのを感じる映画(&小説)だと思うので、ラストだけ確認してもあんまり意味がないような気がするんですけど・・・。
でも、小説のオープニングと実に見事に一致させて終わってますね。
やっぱり、最初から読んだ方がいいと思うけどなあ・・・(苦)
>通常では経験することのないような惨劇
私、この映画を観た翌日に、交通事故現場に遭遇したんですよ。
私の3台前ぐらいの車が事故ったんですけどね。(ひとりは身動きひとつしてませんでした)
だからか、「非日常的な惨劇」とは思えないんですよ。
作家も、妻も、「普通」からものすごく「一般基準レベル」がズレてるわけじゃないですよね。
誰の床下にでも存在する、いつ床下から出てきてもおかしくない「惨劇」だと思うんです。
作家も妻も、少年もルースの人生も、もしかしたら、すぐ身近で、人生の次の角を曲がったら、そういうことが起こりうるんじゃないのか?と思うですよ。
なので、誰に感情移入する、とかではないんですけど、妙にリアリティはありましたよ。
投稿: RIN | 2005.12.01 15:01
■あかん隊さん、こんばんは。
わかりにくい映画でしたね。やっぱり、性が、日本人の感覚とはちがうので、あれが対抗してるのか、風刺してるのか、何に対抗してるのか、何の風刺かが、よくわかんないだと思いますね。日本って、淡白、タブーがない、って国だと思いますわ、おいら。
投稿: 悠 | 2005.12.01 21:21
■RINさん、わんしゃんはお!。
惨劇ってのは、「靴だ、もってかなきゃ」ってってその後のことなんだ、拷問に耐えて、これで終わりだと思った瞬間、また拷問が始まる(いい、たとえではありませぬが)みたいな感じで。
おいら、下をぱらぱらと読んで、これって、神=バッカスが下界におりてきたどたばた喜劇みたいな気がしてきました。エディの行為がマリアンにみつかるとことか、エディとマリアンが、ルースにみつかった後のエディの姿とか、後年、マリアンを思って独身で、小説家となったエディが書く小説の題名とか。
で、セクスにまつわる、どたばたって気がするんですけど。また、読後の感想も教えてくださりませ。
投稿: 悠 | 2005.12.01 21:29
だいぶん前に読み終わったんですけど、感想書く気になれなくて遅くなりました。
なんだか、後半の「辛抱した良い人は幸せに、悪い人には死を」
みたいな単純な締めくくりは、「なんだかなあ・・・(汗)」的な感じで萎えました。
なんだかねえ・・・典型的な男性タイプは、みんな死んじゃうでしょ。
で、老後の介護や子供の世話を喜々としてやる男が幸せになるでしょ。
フェミニスト団体から「推奨作品」のお墨付きがもらえそうです。
でも、元警官が「ルースの主婦」と陰口叩かれてたり、
エディとマリアンが「注意深く」セックスしたり、かなり皮肉っぽくも書いてますよね?
投稿: RIN | 2005.12.12 10:51
□RINさん、こんばんは。
>エディとマリアン
夜中電車のとおるたび起こされる家ですよね。
起こりそうな、ありえる日常をえがいてるんだけど、典型的な、君たちの想像している人生は、ここにはないよ。ってな物語でした。
投稿: 悠 | 2005.12.12 20:15
こんにちは♪
原作を知らないので、あのエディっていう子は「ひと夏の経験」をさせてもらった、それこそヰタ・セクスアリスかと思ってましたーー(爆)
ま、その部分もあるけれど、エディはずっと彼女を思い続けていくんですよね。
板の上も下も地獄。
そうなのかもしれません。
あのマリアンの態度だけはやっぱり理解不能です。
子供は捨てられないわ・・。
投稿: ミチ | 2006.01.30 23:57
■おはよう、ミチさん。
エディ、おじいさんになっても、マリアンを思ってるんですよ。おじいさんになってから、また、マリアンと結ばれるのですが、ロマンスの域を超えてます(笑)
映画思い返してみると、エディが下着ならべてるとこみつかるとことか、、こどもをつれたお店で、「60回、、」とかメモするとことか、テッドが愛人におっかけられながらも、また、別の女性を口説いたりとか、滑稽ですよね。エディと、テッドが対になってって、恋愛物といいってもシリアスじゃなく、コメディ風でもありますね。
投稿: 悠 | 2006.01.31 07:50