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2005.11.23

新リア王 上@高村薫

新潮社 2005-10-25
1987年中曽根首相時代の青森の衆議院議員福澤榮が遁走した4日間 貧乏寺に住まう息子彰之を訪れての対話。
福澤榮は、埴谷雄高の「死霊」を読む、また、道元@正法眼蔵の「石女夜産児」(うまずめ夜児を産む)等を理解する教養人でもある。

核燃料リサイクル施設を誘致したが、地元は、荒廃したままだ、とか、東北に新幹線を!ってスローガンが、結果、東京に富を集中するにいたる、とか。政治の決定がいかなる力学でうごいていくかを読むのには、いいかもです。

政治が、一歩未来を見据えて、動いたことはなく、いつも、世間に遅れて動いている現実などがかかれている。
何しろ、86年9月16日午前8時45分から、同日昼過ぎまでの榮の日常が、130ページ(うーーん、ながい)。

公認会計士で、榮の金庫番となり、親戚の娘と結婚させられた保田英世が、陳情をさばきながら、榮の収入をもたらしている。かれは、四国の山を買い、そこで、すごす計画をたてているが、妻から「息子の学資がいるのに」と責められ、悪に手をそめ、それがもとで、自殺するってな話も書かれている。

「(あなたは)王を演じ、片やそれをながめる有権者のほうは、、、、臣民を演じるのです」「大衆はそうして煽動されることを欲し、説得されることを欲し、政策や理念の周りではなく、それを粗雑にわかりやすく語ってみせる俳優の周りをまわるのだ」なんて語りがはいってます。これ、今年の3月まで(たしか?)新聞連載されてたものの単行本なのです。

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コメント

こんにちは。
高村薫さんは、実に詳細に調べあげてますよね? 執念みたいなものすら感じます。
前職の経験も生きているのかもしれませんね。重厚な小説が多いし、男性の心理についてもよく研究されている。
しかし、いかんせん長いです。調べたことは、全部(もしかしたら、全部じゃないかもしれませんが)記述しないと…というような意気込みがあるのかなぁ、などと思っています。
とかく女性(大御所)の小説は、よくもわるくも「くどさ」が気になってしまいます。(汗)

投稿: あかん隊 | 2005.11.25 17:18

□あかん隊さん、こんばんは。
高村さん、重厚な小説がおおいですよね。「晴子情話」も読むのあきらめました。「新リア王」新聞連載中ときどきよんでたので、まー読み通せました(笑)。で、しばらく、映画みる気力も、本を読む気力も失せてしまってます。昨日からはじまった、瀬戸内寂聴さん、越路吹雪さんとかの物語@TVも、みゆきさんの主題曲きいただけで、もう、もう、いいやって感じで(^^)

投稿: 悠 | 2005.11.25 18:16

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