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2006.01.09

映画「男たちの大和/YAMATO」

「戦艦大和の最後」(吉田満著)にでてきたと思うんだけど、地獄のような状況が、後半、描かれている。

臼淵大尉が、「負けて目覚める」という台詞、「戦艦大和の最後」に、職業軍人と、学徒兵との対立をかいてるとこに出てきて、そのときは、感動していたが、その後、ずいぶん、非論理的な話だ、と思ったことがあって、いまでもそんな気がする。日本語って、「死んで気になって生きる」とかもあるけど、これっていいかえれば、「いける屍」だもんね。

戦争の、大和に戦闘を命じた責任者はだれなんだ。戦争の悲惨さを思うと、戦争のメカニックを本当に、分析してほしい、と思う。私たちは、降りかかった天災のように、思って、忘れてしまうってのがいけないんだけど。
レイテで、捕虜となり、「勲章」を辞退していた大岡昇平は「私はこの前の戦争で捕虜になった。死んだ戦友に対して、常にすまない」と思っていた。と書いている。たぶん、昭和天皇に対する違和があったはずだ。

最後の鈴木京香の台詞に泣いてしまった。劇場では、すすり泣きが聞こえてきてました。

最後の「9・11」のときのように、特攻が敵の艦船に突っ込んでゆく(人の命を軽んずる思想をおいらたちは、いまでももってるかもしれない)、それと、席をたとうとしたあとの、兵の日常がうつされている場面、戦争が日常となってしまったら、おいらたちも、普通に生きてるんだと思う、この感じをどういったらいいんだろう。

この映画、飯炊き兵の現場もあって、どんなときでも、飯食わないと生きられないよ、ってなリアリズムがあってよかった。たぶん、おいらは、このリアリズムを忘れると、「お国のためには、身をすてなあかん」ってなこと思ってるんじゃないかな、「身をすてるほどの祖国ありやなしや」と問うこともなく。「おかあさん、どうか、どうか、、私のことは忘れてください」。。。「どうか、、、、忘れないで下さい」とかけないつらさが身に染む。

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コメント

悠さん、おはようございます。今朝も夜勤明けでございます。わはは!のは。(しかし、こう疲労してくると、マラソンで、苦しかったのが、急に楽になる体験を思い出してしまいます。なぜかテンション・ハイ…)
ご覧になられましたか。それほどお涙頂戴ではなくて、よかったです。自分も、ラストの「…生きさせていただいて」あたりで、ぼろっと。。。
先日、続けて「山田風太郎」の戦後60年(彼の日記を元に、三国廉太郎が出演して、ドラマ仕立てのドキュメンタリー)をテレビで、たまたまみてしまって。やはり、実際、戦争で辛い思いをした人たちは、「天皇制」を、決してよく思っていないし、「靖国」にしても、どうかと思う…ような風潮は、確かにあるのですね。
風太郎も、爆撃を受けて凄惨な東京の様子をみて「日本人は、ひとりがアメリカ人を3人殺せばいいんだ」とまでおもった皇国青年だったらしいです。でも、それが間違いだったと気付いた。どうして気付いたんだったか…。忘れてしまいました<肝心なとこだろうに…。(泣)

この映画を観て「靖国」へ参拝する人が、案外増えそうな気もします。でしょ? なんとなく。
違うのに…。ねぇ。

それでも「命がけ」「死を賭して」。「あなたのためなら死ねる」なんちって。<嘘をつけ!
といいつつ、周りにそういう人ばかりになるのは、とても怖いです。殿様には、命を捧げるのが当たり前だった時代から、日露戦争での歩兵たちが、どれだけひどい作戦で、ものすごい数戦死したか…。知らない人、忘れた人も多いのでしょうね。「私は死なないゾ!」<仕事が完了するまでは…<馬鹿!

投稿: あかん隊 | 2006.01.09 07:41

■おはようさん、あかん隊さん
大丈夫ですか、徹夜つづき。
戦争より、能天気に生きていられる世のなかのほうがいいんだ、と歌舞音曲にいそしみます。阿鼻叫喚というか、うっても、うっても、雲霞のようにあらわれる敵機。飛行隊の援護なく闘う無謀な、たたかいなんですよね。

投稿: 悠 | 2006.01.09 08:37

こんにちは♪
とうとう(?)ご覧になられたんですね!
私も個人的には炊事係のシーンなど好きでした。食べないとやっていけませんものね。
あとは散らばる薬莢。
運ばれる弾薬。
そういう細かい所に注目してしまいます。
私もその昔吉田満の本は読みましたが、辺見じゅん氏の原作も読んだらいいかしら?

投稿: ミチ | 2006.01.09 10:01

■ミチさん、こんばんは。
辺見じゅんさんの原作は、生き残った大和の乗務員の戦後が書かれていて、こちらの方が涙をさそいます。
澤地さんが、2・26の妻のその後を書かれているような味わいがありました。
でも、こういう仕事、ちゃんと、国のプロジェクトでやればいい、って思うのですが、こういう陽のあたらないところの仕事、本当に頭がさがります。
「相楽総三とその仲間」だっけ、あれも、港湾労働者だった、長谷川伸の仕事ですし(間違ってたらm(__)m)。

投稿: 悠 | 2006.01.09 21:17

映画、ようやく見ました。とても良かった・・・
辺見じゅんさんの原作も図書館で探してこようと思います。生き残った人たちも大変だったんですね・・・
映画は、最初から最後までハンカチが離せませんでした。

投稿: maki | 2006.02.12 18:41

■makiさん、こんばんは。
映画で、中村獅童さんがやった役の方は、手術、手術の人生で、体に取り除けない弾丸が入ってたそうです。
で、鈴木京香さんの台詞「長い間、生きさせていただいて、ありがとうございます」ってのが泣けました。
でも、無謀な、現場を知らないのに、命令を下す指揮官ーー命令を受け入れるしかない現場って、いまでも、なくなってないと思うと、これも怖くって。

投稿: 悠 | 2006.02.12 22:17

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