「オセロ」@複式夢幻能
平川祐弘「奇人アーサー・ウェーリーが開いた源氏物語の魔法の世界」。おととしの文学界の夏号あたりにのってって、複式夢幻能の紹介で、「オセロ」を能にしたらっこうなる。ってのが書かれているというので、図書館で探し出す。
(前場)
旅の僧「これはベネチアよりきた僧にてそうろう。我いまだ、サイプラスの島を見ず候ほどに、ビーナスの島にくだりそうろう」
で、娘が、イチゴ模様の刺繍のついたハンカチをもって下げて現れる。
いろいろ話すと、只者ではない。
僧「かくなるは、いかなる人にてましますぞ」
娘「はずかしや、われは、古、デズデモーナと呼ばれしが、跡たびたまえ」(消え去る、中入り)
(後場)
寝室に一人いるデズデモーナ。
デ「雪よりしろき君の肌」
(地謡)「雪より白き菊の花、しばし、ハサミは、ためらいて」
(漱石の句「白菊にしばしためらうハサミかな」ってのは、「オセロ」を俳句にしてるんだって)
「しばし、わが身はためらいて」
デ「命の光また消えて」
地「うせにけり、うせにけり」(終わり)
うーん、へーーと感心したので、メモしときます。
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コメント
>悠さま
とみです。シェイクスピア悲劇を謡曲でというのは,シェイクスピア喜劇を狂言でというのとセットで上演されるといいですね。
先日,大阪の大槻能楽堂でマクベス見てきました。松岡和子氏訳でした。能楽堂なら,マクベスをなら嘉吉の乱に翻案し,赤松満祐をマクベス,宴会で殺害されるのが足利義教などとするとはまるかもしれません。
複式夢幻能は,考えてみたら普遍性ありますね。何でも翻案できそう。これで今夜の楽しみが出来ました。
投稿: とみ | 2006.03.19 00:21
■とみさん、おはようございます。
「蜘蛛の巣城」@黒澤版マクベス、みたいな翻案ですね。
シェイクスピアの能+狂言、ほんとだ、だれかやってくれないかな(^^ゞ。
ロシアのユーゴザーパド劇場が、「マクベス」、簡素な舞台、後頭部に仮面をつけ、後ろ向きで語る魔女、ってな舞台らしくて、楽しみにしてるんですよ。
投稿: 悠 | 2006.03.19 07:42