「チェーホフの戦争」
宮沢章夫 青土社 2005-12-28
「三人姉妹」の新聞を読みながらのチェブトキン(軍医)の「バルザック、ベルジーチェフにおいて結婚」という台詞がある。バルザックの結婚は1850年である、すると、舞台は、第5次露土戦争が1853、クリミヤ戦争が1854の前夜ではないか。三人姉妹家族のほかの登場人物が、軍人であるという異様な劇は、家族に襲いかかる戦争の影を書いたものではないか、と作家は書く。(え、えっ三人姉妹のそれぞれの生き方を書いたものじゃなかったの??)。
でも、説得力がある、そういやぁ、昨年夏みた「上演されなかった三人姉妹」って芝居は、チェチェン紛争で、劇場を占拠したテロが見守るなか、演じられる「三人姉妹」ってのは、日本で上演すると、こういう風になるって意味でもともとのチェーホフ劇に近いかもしれない。
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