「お前のリアルは、舞台のリアルではない」
劇団青年座「殺陣師段平」
新国劇をつくった、沢田正二郎のいうリアルな立ち回り、「国定忠治」「月形半平太」の殺陣をつけた、元歌舞伎の殺陣師。
沢田と段平の関係を、日本と西洋の関係、知識人と大衆におきなおしたり、団平の生き方を、団塊の世代の生き方に重ねあわせたりしてみてました。
正二郎が、「写実=リアル」な殺陣をと言った言葉を一生懸命考えて、段平は、リアルな殺陣を考える。段平が死んだ後、沢田は、「お前のリアルは、舞台のリアルではない」「お前は結局リアルがわからなかったのだ」ってつぶやく。
なんか、沢田を、一生懸命理解していた段平が哀れで、あ~、西洋理解を努力してきた日本人、知識人から学ぼうとしてきた大衆の関係におきなおして、「そりゃ、つれないぜ、沢田さん」とでも、いっとかないと、切ない。
段平の生き方って、殺陣に憑かれたような生き方で、殺陣=仕事だとすれば、仕事に没入し、家庭を顧みない、犠牲にしてきた、おいら達の生き方だよな~と妙にシンクロしてました。ただ、髪結いの女房=おはるのように、できた妻を持たないし、お菊のように、慕ってくれる子もなく、妻子からは、「粗大ゴミ」のように扱われているのが、今で、ここはおおきく違いますが。
スピンアウトの物語、アキコが、なぜ、男に仕送りせねばならぬのかが、よく、わからなかったのですが(<ちゃんと、芝居みろ!)。
テンポのいい芝居で、観客は、いつもの芝居と違い、舞台の俳優さんの息にあわすように、息を詰めたりしてて、芝居に集中してましたね。
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