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2006.07.30

倭国~東アジアの世界の中で@岡田英弘著

中公新書 1977-10-25初版
狐さんおすすめの岡田さんの「世界史の誕生」はちと分厚いので、日和って、この薄い本を読むことにした。
ま、なんですな~、倭の時代まで日本列島の開発・発展は、半島経由で流れ込む中国の人口・物資・技術に頼っていた。逆に後半期には、倭人も半島に出かけていっていた。

日本列島をめぐる問題は、東アジアで何が起こっていたかをみなければならない。そして、当時の、中国の大きさを思うと、日本を作ったのは、中国であり、日本文化をつくったのは華僑であると、著者は結論する。
中国周辺国家で、朝鮮と日本だけが古い。この謎は、北緯35度線にある。長安ー慶州ー大津(これが北緯35度線)。中国と同じ条件だったから朝鮮、日本に中国型国家が根をおろした、という。

で、衝撃の白村江の戦いの敗北。これで、半島ー大陸を倭は孤絶する。百済、高句麗の遺民を受け入れて、中央集権国家をつくらねば、新羅、唐に対抗できない。
で、日本のアイデンティティをつくらねばならない、この理由で強引につくられたのが、「日本書紀」であり、日本語であるという。

「日本書紀」のゆがみ、古代にあった、越前王朝(継体天皇の出自)、河内王朝(仁徳天皇)、播磨王朝を、タテに連ねて一系とし、中心を大和王朝とした。
日本語のゆがみ、日本列島にはいりこんだ、高句麗、百済、古い弁辰系の中国語の単語は、日本書紀、古事記、万葉集にあらわれない。この不自然さは。
第一次世界大戦の後、オスマン帝国から独立したトルコ共和国が、アラビア、ペルシャ語などを追放し、古代トルコ語を元に新国語を作った。
朝鮮半島土着民のである華僑の中国語をベースにして、単語は、日本列島土着の言葉に置き換えて、新日本語を作った。

うーーん、倭国、白村江の戦い語の「国語元年」だったんですね。新日本語。

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コメント

岡田さんの本は、武澤さんの『法隆寺の謎を解く』でも参考文献に挙げられている『日本史の誕生』(弓立社)を図書館から借りて読んだことがあります。対外的緊張関係の中で日本という国家が成立したとの論に大いに刺激を受けた記憶があります。
『倭国』はそれよりさらに前の本と思いますが、そこまで言っていたんですか…。驚きました。恐らく『日本史の誕生』は時間の経過を経てすこしおとなしくなったのかな。そんなにぶっとんだ感じの印象はなかったですから。この本は厚いことは厚いですが、そもそも紙自体が厚く、ページ数にしたら、そうたいしたことはなかったと思います。併読をオススメします。

投稿: 夏空 | 2006.08.14 19:00

■夏空さん、こんばんは。
『日本史の誕生』読んだのですよ。
ジャパンで「日本語」、「日本」、ができるプロセスが、ほんと、わくわくするような出来です。ヤマタイ国論争が飛んでしまいました(笑)。
読書感想を書きますので、また、よろしく。

投稿: 悠 | 2006.08.14 21:38

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