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2006.10.17

笹まくら@丸谷才一 再読

平成18年1月15日 14刷 新潮社 初版は、昭和41年7月河出書房新社

文庫版で出ていたので、再読。
丸谷さんは、日本の小説家の系統からははずれている。文芸のマルチタレント、小説は余芸って思ってた。昭和41年当時、この本が出ていたのを知ってたとしても、目もくれなかったと思う(知らなかったのですが)。

物語は、戦時(第二次世界大戦)、主人公が徴兵拒否をして、砂絵やとなり、各地を放浪する
今(昭和41年)は、大学の庶務課長補佐として身を保している。地の分で、過去の放浪の回想と今現在抱えている問題が、交互に書かれている。

主人公は、大学の庶務課長補佐として、香典はいくらつつんだらいいのか?考える出だしから、20歳の日、入営の壮行会前に、タクシーに乗り、家から離れてゆくラストまで、一気に読んだ。たぶん、ところどころから読み始めても、それなりに面白いを思う。

「さようなら、しかし、それが、何に対する、どれほど決定的な別れの挨拶なのかは、二十歳の若者にはまだよくわかっていなかった」ラストの一行です。

戦中、英雄でもなく、戦後は、些事になやみながら生きてゆく主人公。

私達も、声高にさけぶでもなく、いま、どう、生きているかを検証することが、大切だよ、と、この小説は教えてくれる。ラスト、一行、ほんとに胸にせまります。

そういえば、裏声で歌え、君が代、って著作もあったんだ、この作者。

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コメント

こんばんは。
重みのある言葉ですけど、とてもしっくりきます。わかります。
なんとなく、きな臭いような、それでいて、「そんな大事にはならないだろう」と楽観するような…とても日本的な反応が興味深い、最近の出来事ですが、基本的には、それぞれの日常をどう生きるか、どう考えているか、ということにかかっているのだと思います。
14刷、ということは、読んだ方、結構いらっしゃるのですね。日本の良心が、きちんと保たれていることを望んでいます。

投稿: あかん隊 | 2006.10.20 22:54

■あかん隊さん、こんばんは。
やっぱり平和な状態って、戦争状態にくらべると、退屈なんですよね。ドパーミンがどっと、でてゆくような状態=いさましい状態を望むのですかね(^^ゞ。

投稿: 悠 | 2006.10.21 23:56

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