鶴八鶴次郎@詠み芝居
壌晴彦さんの演劇倶楽部「座」の「詠み芝居」と銘うったおしばい観てきました。
川口松太郎の原作小説を、台詞のところは、俳優が台詞を言って、地の文は、舞台横に座った女優さんが、詠んでいく。
「鶴八は、思わず、『えぇ、それじゃ』を言った」という文の『』の部分は、女優さんが演じながら、台詞をいい、その他は、横の女優さんが読む(能のシテ、ワキさんと地謡さんの関係かな(^^ゞ)。
ク・ナウカの場合は、地の文も台詞のところも、バックにいる俳優さんが詠み、舞台で演じている俳優さんは、言葉を発しない。(まー文楽の人形と太夫の関係(^^ゞ)
今回は、新内は鶴賀若狭嬢掾、三味線が鶴賀伊勢次郎。この新内がいいんですわ。「はーーぁぁるーーーの♪」なんてので、もう、舞台は桜が満開ってな風情になりますもん(舞台に桜が現れているわけではありません、想像、妄想のたぐいです(^^ゞ)
日本の語りの芸、言葉に霊がやどっていてなんてのが信じられた時代のものなんでしょうかね。いまは、言葉がかろやかに、かろやかになってますんで、こんなのは、はやんないんでしょうかね。
で、ク・ナウカもそうだけど、これって、悲劇だからできるのであって、喜劇はむりでしょうね。
悲劇ーー成功の非在は、言葉が内心にとどかないと、非在(うまくいってたら、どうなってたか、それが成就できなかったこと)のせつなさ、哀切さが、表現されないのだ、と改めて、認識した(^^ゞ。
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