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2007.03.03

善き人のためのソナタ

いきもつまる、心理劇です。とくに、劇作家ドライマン+愛人@女優クリスタ、二人の日常を監視するヴィスラー大尉の、やり取り。ほんと、胃がいたくなりそう^^;。
でも、よくできた映画でした。原題は、「Das Leben der Andere」。
東ドイツの演劇の舞台がすこし見られて、観客席が、300人くらいの劇場。いいなー、この規模と、こちらにも感動。

国を信じる、国家保安省「シュタージ」(まー旧ソ連のGPUみたいなもの)の大尉が、女優と、劇作家をまもろうとする、ところに、こころ打たれました。とくに、その後、閑職に追いやられ、東西ドイツ統合後は、郵便配達人として生きるストイックな彼。映画の最後の「私のために!」という台詞。ほんと、かっこいいんやから。

女優は、逮捕されると、劇作家を裏切るのですが、これも、国家の悪のせいなんだと理解できる。反体制にすべての善をもとめてはいけない。人の弱さも認めての運動でなければ、と、この種の映画をみると、いつも、思うのです。女優に異変があったときには、当然、他の人は、女優がすべてをしゃべるってことを前提に、あとのことを対処しなきゃ、だから、悲劇がおきるんやない、と思うくらいで。

演劇の演出を誰にするかもふくめて、国が管理しだすと、怖いよ!ってことを、いまさらながら思う。
国から演出をさせてもらえなくなる、演出家イェルスカ。ドライマン、大尉、もうひとりの反体制演出家がかっこいいんです。うーん、ネクタイをしないかっこよさ。そうだ、中年にならないと、でてこない魅力があるんだぜ(笑)。

イェルスカって、二コール・キッドマン主演の「めぐりあう時間たち」で、自殺する詩人@中年男性に似てたな。

それとブレヒトの詩がでてくる。これを、シュタージの大尉が、監視しているドライマンの書斎からもってきて読むところも、印象的。ドイツ語の教科書には、ブレヒトの詩がでており、そのころは、この人は詩人だと思ってた^^;。

しかし、監視社会、密告社会って、高速道路に監視カメラが、マンションの入り口に監視カメラが、あらゆるところに監視カメラがある、この国の話なんだけど、やっぱり人ごとではないよな~、と。

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コメント

こういうはらはらするのは、苦手で。<苦手なものがたくさんあるな…。でも、がんばって観ました。良い映画でした。いろいろ考えさせられました。ドイツ語がわからないので、原題の意味がおわかりでしたら教えてください。
そうそう、「めぐりあう時間たち」ではニコール、ツケ鼻までして変装(?)してたんですよね?>ヴァージニア・ウルフ
そういえば、年齢的には今作ではお年寄りでしたけど、雰囲気は、あの詩人に近いものがあったかも。
TBが思うように送れませんでした。(泣) あとで、またやってみます。重複したら、削除してください。

投稿: あかん隊 | 2007.03.08 22:06

◇あかん隊さん、こんばんは。
The life the other(他人の人生)ってんですかね。
ココログ、TBができなくなってるんですよ。なぜなんでしょうね。
詩人、演出家、かっこいいですね。めざせ、かっこうだけ<ほんと、影響されやすいんです。で、ネクタイをしないとこだけ、まねてますが、3日でおわりそうですが(爆)。

投稿: 悠 | 2007.03.08 23:36

こんばんは。コメントありがとうございました。
国家が芸術を管理するというのは、怖いことですよね。
日本では、反体制的っぽい芝居も今のところ大丈夫だと思いますけど。
先日観たチュニジアの演劇は、検閲されてしばらく上演できなかったらしいです。
そして、上演された後ではチュニジア国内で論争を巻き起こしているということで、日本ではそんな状況は考えられないなー、と思いました。
蜷川さんは、物議を醸したいという気持ちを持っているだろうことは感じますけど。

投稿: いわい | 2007.04.01 00:58

■いわいさん、こちらでは、お久しぶりです。
>先日観たチュニジアの演劇
また、感想、いわいさんちにアップしてくださりませ(見逃してたらご免なさいですけど)。
蜷川さん、昔のままですもんね。でも、観客がねぇ、乗ってくれませんやね(と、この間の清水さんの舞台みての感想ですけど)。
映画の中の、劇中舞台、よかったです。ドイツ演劇が垣間見られて(それと、ブレヒト!)。

投稿: 悠 | 2007.04.01 22:30

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