「腑抜けども、悲しみの愛をみせろ」
本谷有希子 講談社文庫、2007.5.15
京都シネマ行ったついでに、購入。
本谷さんの本の主人公って、異常なところがあるんだけど、それがなけれ
ば、その人自身がなくなってしまう、そんな、ぎりぎりで生きてるみたいな人格だと思うけど、どうだろう。シナリオが載ってる「月刊シナリオ」も目をとおし
たけど、最後が、本とちがってた。
「親は、娘のために犠牲になるべきだ」
「兄は、妹のために、妹だけを愛さなければならない」
こんな倫理観で、人は、ふりまわされて生きている。
自分は、選ばれた才能をもっているから、それを要求する権利がある。
どの命題も、まちがっているようには思わないが、しかし、これで、ふりまわされるとはねぇ。
現実なんか知りたくない、現実たって、人間の脳で認識するんだから。
高橋源一郎が、「見えない戦争が終わった後で」という題で、解説をかいている。
「見えない戦争」が実はあったのだ、と。
ps 題名の「腑抜けたち」は誰をさすのだろう?家族?主人公?世間?
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