能「檜垣」
「安宅」「檜垣」「道成寺」その間に仕舞、狂言。うーん、演劇で言うと、「カモメ」「マクベス」「欲望という名の電車」その間に吉本新喜劇ってなとこですかね。
でも、江戸時代は、能は5番ってのがありますし、忠臣蔵は、朝から晩まで、11段までやってたわけだし。。。。檜垣だけみてきました。安宅さん、道成寺さん、ごめんなさ〜い。
檜垣は、難曲、秘曲でめったに演じられない。
シテは河村隆司さん、ワキは宝生閑さん、アイは、野村萬さん、すごいよ、すごいよと、演者の名をみながら、見る前から、期待がたかまる。
で、すごかったですよ、いってみれば、腕力のあるひとが、その腕力をつかうことを禁じられ、「檜垣」というやせた老婆の面をつけながら、若やいだ白拍子の装束で、はなやかさ、老いたさまをださなくてはいけないだよね、きっと。
杖をつかいながら、ときどき、休みをとり(白拍子がですよ)ながら、舞を舞う、河村隆司さんの檜垣、老いながらも華やかさを残す、というか、美女が、品よく年寄った様、しかし、前半に語られた、地獄の責苦のあとだけに、美も品も、よけいにひきたちます、を演じてられた。
おいらは、なんか、胸にせまってくるものがあって、なんだろう、これは、と帰り道、うつらうつら考えていたら、悲しいような、泣きたいような気分のものだった。なんだろう、これは。
いやぁ、大曲でした。そのあと、狂言「魚説法」@千之丞さん、千五郎さんのをみて帰ってきました。
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