「ロング・グッドバイ」(THE WRONG GOODBYE)
矢作俊彦、角川書店、2004.9.11
レイモンド・チャンドラーの「ロング・グッドバイ」(THE LONG GOODBYE)ではない。一度買って読まずに古本屋に売った。気になって図書館で借りて読んだ。
やっぱりチャンドラーの本を読んでから読む本だ。本には、読むときってものがある。人生には、赤い糸が呼んでくれることもあるのだ。
探偵が、
最初、酔っぱらいと出会うところ、
その酔っぱらいを空港まで運ぶのを手伝ったあと、その酔っぱらいが殺人罪の容疑をかけられているのを知る、
酔っぱらいが死んだと聞かされる
、、、、、、、、
等々が共通するって、矢作さんが、チャンドラーの作を、換骨奪胎しているのだ。
ジャパニーズ版「ロング・グッドバイ」は、1975年に終わったベトナム戦争というか、ベトナム反戦運動へのオマージュのようなおもむきがある。
「バーナムの森」なんて名前がでてくる。ふふ、「マクベス」だっちゅうの、それは。
「なー、この年になると、人と別れるのはそう辛くない、、、、別れもいわずにいなくなられるのは、、、、たまらない」
「さよならっていうともうあえない気がして、もちろんだれでもってわけじゃないけど」
そういう別れの話だ(^^;)
ハードボイルドは、(おいらの口癖がはじまる)、取り返しのつかない、過去を懐かしむ、センチメンタルな物語だ、もちろん、振り返るには、もちろん、酒がいる。
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