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2008.07.13

忍びの国@和田竜

新潮社、2008、6、25
本屋さんで買ってから、暇があれば、読んでました。おもしろいですよ!!。
織田信雄が、伊賀の忍者の里を攻める。この、信雄がなぜ攻めるってのも、ひとつネタになってます。

「無門」という忍者、さらってきた姫君に尻の下にしかれ、姫君を喜ばすために、カネになる仕事しかしない男、この男、忍者では一流の腕前。

最初は、信雄が、義父の北畠具親を、三人の配下をつれて暗殺する場面から始まる。
映画みたいな描写だとおもったら、作者は、映画の脚本もかかれてます。

義理も人情もあるもんかい、己のためにだけいきる忍者の世界。報酬があれば働く。織田軍に追われ仲間が負傷する。「つれて逃げてくれ、頼む」といわれて「おまえがおれだったら、助けるかい」と言って、負傷した仲間をおいてにげる。ここまで、くると、人情のなさは、小気味いいですね。こういう世界もあるってのは、頭に置いて世間を生きたほうがよさそう(笑)。
この世界を侮蔑する武士の倫理もうまく書かれています。

和田さんの本「のぼうの城」、これは、石田三成が、武功をしめそうと、北条攻めのとき、秀吉のマネをして、北条支配下の枝城を、「水攻め」にするが、これに失敗する。この城を守った側から描いた作品です。
この城を采配をまかされた、主人公成田長親、農民から「のぼうさま」と呼ばれていて、農作業を手伝うのを唯一の趣味とする男なんです、っても、のぼうがやった農作業のあとは、農民がみんなやり直さねばならぬほど、不器用。
この男が、いったんは、秀吉に従うことに決まっていたのに、「武あるものが、武なきものを足蹴にしていいように引きます、、、、、これが人の世か、わしは、いやじゃ。」「力づくで、従えというのはいやじゃ」と戦うことを決める、圧倒的に不利益な状態で、持ちこたえる。

「のぼう」ってのは、「でくのぼう」の略なんです。

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コメント

織田信雄って^^;
その名前からしておもしろい予感がするんですけど
読みたいリストに入れておきます

投稿: なっぺ | 2008.07.14 16:48

□なっぺさん、こんばんは。
今までの時代小説って、艱難辛苦とか、求道一筋とか、義理、人情とか、いろいろなんですけど、こういう軽い、しかし、おのれのため、人のことなど考えない忍者の存在って、面白かったですよ。
それと、百姓仕事がすきなサムライーしかも不器用で、仕事にならないーこんなキャラも、時代小説にでてくるのは初めてではないですかな(あ、これ、のぼうの話ですけど。

投稿: 悠 | 2008.07.14 22:36

こんにちは。
コメント、ありがとうございます。
残念なことに、直木賞は井上さんでしたね。

「のぼうの城」もそうでしたが、和田さんの本は映画のような描写で、戦いのシーンとか迫力がありますよね。
今回の「忍びの国」は義理も人情も関係ない忍者の描写がすごかったし、無門とお国は最後がちょっと切なかったです。
次はどんな話になるのか、楽しみです。

投稿: mint | 2008.07.18 11:14

□mintさん、こんにちは。
そうそう、無門が、「なんで、こんな女にひかれるんやろう」という謎が明かされるところで、私は、泣かされました。切ないですよね。

投稿: 悠 | 2008.07.18 16:41

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» 『忍びの国』 和田竜 [いつか どこかで]
今日読んだ本は、和田竜さんの『忍びの国』です。 今回は伊賀忍びが織田軍を破るという話です。 [続きを読む]

受信: 2008.07.18 12:17

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