ときどき佐々木譲
「犬どもの栄光」集英社文庫、1990-8-25
「夜にその名を呼べば」早川書房 2008-5-15
「犬」は舞台が札幌ちかくの倶知安町、「夜」は第三部が小樽が舞台。
函館はロマン、小樽はリアルって作者がかいている。
乾いた叙情。これがいいんですよ。
「犬」は警官、学生運動の残党、当時の警察官をめぐって物語がすすみます。
これは、当時の状況にひかれて読みました。
「夜」は、逢阪さんの「カディスの赤い星」のように外国を舞台にしたミステリを期待して読みました。
こちらも、警察官がでてきます。でも、放浪される商社マンが主人公です。
「犬」は、「過去に一瞬のときがあったら、それだけをまもって生きて行ける」ってな台詞に泣けた。「過去にとらわれて今が生きられない」なんて批判は承知ですが、こういう台詞に酔いたい夜もあるのさ、と言っておこう。
「夜」も同じ叙情がある。佐々木さん、しばらく読む予感が(笑)
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