「高き彼物」
twitterで、評判がいいのと、俳優の古館寛治さんが演出されてるのもいい、ってんで、静岡まで行ってきました。
2012年に、このお芝居は観てるんですけど、最初は、そうかなって思ってただけなんですけど。泣かせて笑わせる、松竹新喜劇みたいな趣きだったんですけど、そのときの印象は。
高校をある事情でやめた元教師宅、家業のタバコ屋を注いでいる。この近くで、バイク事故で死亡した少年と、中学生で同級だった高校生。生き残った高校生が、東京の父母には、予備校の合宿に行くと偽って、事故現場まで来て、ずって座ってるうちに倒れ、元教師宅に運ばれてきている。
この高校生から、事故の真相を語られ、高校生を自宅にあずかろうとする元教師。
この日常の中で、元教師は、娘、婚約した女先生(っても、元教師の誤解で、婚約を破棄される)、高校生の前で、社会人としては、恥ずかしい、学校をやめた経緯を語る。
この語りに触発されたかのように「僕は、家に帰って、父と話します。死んだ親友の母とも話します」と高校生が語る。
これが良かったんですよ。古館さんが青年団に属してられるし、舞台美術が、青年団とも関係のある宮澤章夫さんだし、青年団の舞台を見ているようでもあった。例の舞台に役者が背を向けて発語するとか。
劇場を出て、JRの駅まで歩いてる間、舞台を反芻しているうちに「お前は、何をしてるんだ」ってな独り言を言って、うっときてしまった。
観に行ってよかった。
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